半減期ってなあに?
放射性物質とは、非常に不安定な性質を持っており、その原子は、常に別の安定性の高い原子へと変化していきます。
実際には、この変化の過程で、α線、β線、γ線などの放射線が放出されるのですが、この放出される量は時間と共にだんだんと弱まっていき、それが半分になる時点を“半減期”と言います。
難しいですか?
シンプルに言うとこうです。
「半減期の期間が過ぎれば、その放射性物質が持つ力(放射能)は“半分”になります。」
例えば、
半減期が8日の放射性ヨウ素131が100Bq/L含まれた水は、
8日後には50Bq/L
16日後には25Bq/L
24日後には12.5Bq/L
となり、約1カ月後には放射能は10分の1以下まで減少します。
以下は覚えておくと便利です。
放射能は、
半減期で半分に
半減期x3で10分の1(実際には8分の1)
半減期x7で100分の1(実際には128分の1)
になります。
以下、有名な放射性物質の半減期です。
放射性物質 | 半減期 | 線種 | 人/自 |
酸素15 | 2分 | γ線 | 人工 |
炭素11 | 20分 | γ線 | 人工 |
ヨウ素131 | 8日 | β線、γ線 | 人工 |
リン32 | 14日 | β線 | 人工 |
鉄59 | 45日 | β線、γ線 | 人工 |
ポロニウム210 | 138日 | α線 | 人工 |
セシウム134 | 2年 | β線、γ線 | 人工 |
コバルト60 | 5.3年 | β線、γ線 | 人工 |
ストロンチウム90 | 29年 | γ線 | 人工 |
セシウム137 | 30年 | β線、γ線 | 人工 |
ニッケル63 | 100年 | β線 | 人工 |
ラジウム226 | 1600年 | α線 | 自然 |
プルトニウム239 | 2万4千年 | α線 | 人工 |
ウラン235 | 7億年 | α線、γ線 | 自然 |
カリウム40 | 13億年 | β線、γ線 | 自然 |
ウラン238 | 45億年 | α線 | 自然 |
基本的に、半減期が短いものは人工的に作られた放射性物質です。
46億年前という地球創生からの年月を考えると、自然に生まれた放射性物質で短い半減期のものは、すでに存在しているはずがない為です。
また、放出する線種によっても異なりますが、一般的に半減期が短いものほど、崩壊時のエネルギーが大きいため、人体へ与える影響も必然大きくなります。
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